携帯会社や裁判所から突然の届く、督促状や通達に慌てない!『消滅時効の援用』で法的に解決できるかもしれません.
携帯電話が日本で普及した1990年代から約10年で携帯電話はスマートフォンへと進化し、2007年には手元でパソコンと同じようにインターネットを利用することができる多機能性が幅広く受け入れられて『スマートフォン時代』と呼ばれるようになりました。
いつしかスマホは若者を中心に手放せない主流アイテムとなりましたが、多種多様な料金プランに加えてスマホの本体代金も値上がり傾向なため、毎月々に支払う使用料金も高くなってきているのが現状です。そのためスマホや携帯電話は大変便利なツールですが、利用方法を間違えると取り返しの付かないことに成りかねない一面を持っています。
例えば、親のスマホでゲームアプリを利用して遊ぶ未成年が、ゲーム内アイテムが有料であることを認識しないまま、無断で親のカード情報を利用して課金を行い、後日ビックリするような高額請求が届く携帯利用料金トラブルがあげられます。
被害者の中には何十万円も請求がきた!といったニュースも飛び交い世間を騒がせたことも記憶に新しいです。
他にも一人で複数台を契約し「ビジネス用」「個人用」と用途によって使い分けるのも今では珍しくなくなりましたが、その分支払い請求も契約している複数台分手元に届くわけですから、便利だからといって身の丈にあわない契約をすれば、携帯電話の請求額が高額になりすぎて払えなくなり、金銭的にも精神的にも追い詰められた滞納者が安易に自己破産を選ぶケースも少なくありません。
「滞納金が高額」「未払い金がある」「借金が支払えなくなった」など、お金にまつわる様々な悩みを具体的な解決に向けてサポートしてくれる機関があります。1人で悩まず1度専門家に相談してみてはいかがでしょうか?
携帯電話料金やクレジットカード会社の支払いなどを未払いのまま放置していると、請求書や督促状が届きます。
これらは契約会社が債権の放棄を行っていない証拠。さらに滞納を2ヶ月以上重ねると、未払いトラブル案件として金融取引を管理する信用機関へ通報されてしまいます。
この金融事故を信用情報機関が登録することを、俗に『ブラックリストに登録される』という表現をします。
ここに登録された個人の金融取引情報は、所属する企業なら閲覧することが可能で、主に融資審査で利用されることが多い情報となります。
「返済に問題がある」「幾度と無く滞納する」「代金未払い期間が長い」といった個人の金融取引情報を各企業や店舗で共有し、未回収となる可能性のある人かどうかを選考する大切な情報源となっています。
融資したお金を踏み倒されたら企業側も死活問題ですから、お金を融資する前に顧客がどのような人物であるか判断できることは大切なことです。
なお、主な個人信用情報機関は下記のとおりです。
CIC 株式会社シー・アイ・シー |
消費者のクレジットやローンに関する支払い状況や残債額などを、割賦販売法および貸金業法の両業法に基づく会員企業から収集し、各クレジット会社からの照会に応じて情報を提供している、クレジット系指定信用情報機関 ※主に消費者金融、信販会社、百貨店、各種クレジット会社、リース会社、保険会社、携帯電話会社などが加盟 |
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JICC 株式会社日本信用情報機構 |
クレジット、リース、保証事業など、貸金事業を営む企業に加えて、銀行などの金融機関を会員とする、消費者金融系指定個人信用情報機関 ※主に消費者金融、信販会社、各種クレジット系会社、金融機関、リース会社などが加盟 |
KSC 全国銀行個人信用情報センター |
銀行または法令によって銀行と同視される金融機関を会員とし、与信取引上の判断のための参考資料として情報を提供している、銀行系個人信用情報機関 |
個人信用情報機関の『ブラックリスト』に登録されると、金融事由に対する信用度が下がりますので、融資審査は通りにくい状態となります。
例えばあなたが個人的に親しくしている友人から「急で悪いけどお金貸して」と言われたとします。すると他の友人から「彼は借金を踏み倒すよ!今までに何人も貸したけど返済された人いないのよ」と聞いても、迷わず貸すことができますか?
常識的に考えると返済してくれる可能性が低い人には、いくら親友だったとしても「貸せない」と判断する人が多いのではないでしょうか?
金業を営む側ももちろん一緒ですからブラックリストに登録されていれば、マイカーローンやマイホームローンといった高額かつ長期返済系のローンだとまず絶対融資審査は通りにくいでしょう。
しかし、このブラックリストは個人信用情報機関から一生消えないわけではありません。
Kさんは、新規でスマホの契約をしようとショップを訪れたところ、別の携帯会社に料金滞納があると言われてビックリ!さらに完済するまでは、一括支払での購入しかできないと言われその日は退店しました。
まったくの心当たりがなく自分なりに推測してみたKさん。
実はその滞納していた携帯電話とは、昔付き合っていた彼女に持たせていた物。当時彼女は学生で経済力がなく「毎日LINEしたいし声も聞きたい!」とねだられて、自分の名義で2台目の携帯電話を契約し彼女に渡していたのです。
ところがそれから半年ほどで彼女の浮気が発覚し、大喧嘩の末別れることなったのですが携帯電話を回収し忘れてしまったのです。さらに、別れてすぐKさんは引っ越しをしたため、携帯会社からの請求書や督促状なども一切届かなかったのだと推測。
もう放置して数年が経過しており、払おうにもきっと高額になりすぎていて数十万・・・数百万になってるかもしれない。これを払うなんて正直ムリとしか言いようがありません。Kさんは頭を抱えてしまいました。
Aさんは、車検を機に古い車を手放し、そろそろ新車を買おうと考えていました。このとき社会人になってすでに3年目。Aさんには借金もまったく無く、実家住まいで家賃や生活費などもいらないことから、自動車ローンもすんなり通過するだろうと考えていました。しかし、意気揚々と通帳と印鑑を持参したカーショップで、Aさんは商談中の営業マンから驚きの言葉を聞くのです。
「AさんはCICに登録されているのでローン審査が通りません」
実はAさん、2年前に人間関係のトラブルからバイト先を辞めて無収入となり、携帯電話料金の支払いを4ヶ月間とめた過去がありました。そのため個人信用情報機構関にAさんが金融事故者(ブラックリスト)として登録されており、新規でローンが受けられない状態だったのです。
実は携帯電話やスマホを新規契約する際、毎月支払う携帯料金の中に携帯電話の端末代が含まれています。この代金は「本体実質0円」などといったキャンペーンなどで勘違いしてしまいがちですが、電話の使用料金を滞納しただけでなく、携帯本体の分割払いをも滞納したことになるのです。未払い状態を3ヶ月以上続けると、金融事故として取り扱われ「CIC」や「JICC」といった情報機関のブラックリストに登録されてしまうのです。
結局Aさんはブラックリストの情報が削除されるまでの5年間、マイカーローンだけではなくマイホームローンを組むことができず、婚約も破談になってしまいました。
何か解決策があったのではないかと後悔の日々を送っています
Sさんはクレジットカード依存症で、常に複数枚のクレジットカードを持ち歩き、買い物のほとんどにクレカを利用していました。当然請求書は常に10万を超える高額請求が続き、ついに支払いを延滞させてしまったのです。
Sさんは焦ってクレジットカード会社のコールセンターへ連絡をして「うっかり延滞してしまった。延滞は何日まで大丈夫ですか?」と尋ねたところ、カード会社の温情もあって「○日に再引き落としをしますので、その日までに入金してください」と言われたのです。
このコールセンターの返答を、「引き落とし日までに入金していなくても、○日後に再引き落としをしてくれる!遅れても大丈夫!」と、Sさんは間違って認識をしてしまったのです。
Sさんは毎月当たり前のように再引き落とし日までに入金するようになり、延滞することにためらいがなくなったSさんは、カード会社へ延滞を連絡せず自分勝手な返済スケジュールを繰り返したため、延滞は意図的で悪質であると見なされて完全に信用を失い『金融事故』として個人信用情報機関へ通報されてしまいました。
クレカは当然凍結され、新規でカードを作れない生活は5年間続きました。
よく仕事帰りなどで仲間と居酒屋へ行くと、酔った年配男性が「飲み屋のツケは1年踏み倒せば時効だ」と言う話をちょこちょこ耳にしていましたが、民法や商法に基づいて定められた期間、数ある成立条件を満たしていれば時効とみなされるものがあります。
時効を成立させるためには、後述する『消滅時効の援用』と呼ばれる手続きを行わなければなりませんが、まずは"時効"が適用される項目にはどのようなものがあるのか、ざっくりと抜粋してみました。
項 目 | 起算日 | 消滅時効の期間 |
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陸上&海上の運送費 | 運送品を受け取った日 | 1年間 |
商品レンタル代 | 返却日 | 1年間 |
飲食代(ツケなど) | 食べ終わってから | 1年間 |
宿泊 | チェックアウトしてから | 1年間 |
商品の売掛代金、塾の月謝など | 支払日 | 2年間 |
病院での診察代 | 治療終了時 | 3年間 |
車の修理代金 | 支払日 | 3年間 |
交通事故などの損害賠償金 | 損害を知った日(相手を知った日)から | 3年間 |
消費者金融・クレカ・銀行ローンなどの金融債権 | 返済日 | 5年間 |
携帯電話代の未納 | 返済日 | 5年間 |
個人間の借金 | 返済日 | 10年間 |
過払い金請求の権利 | 支払日 | 10年間 |
「消滅時効の援用」は素人でもカンタンにできる!と謳ったサイトも良く見かけますが、上記の表にあるように「時効としてみなされるために必要な期間」が存在します。
時効成立に必要な期間は、消滅時効の援用手続きをした時点で停止しリセットされてしまうため、「もうとっくに5年は経過してるはず!」と記憶を頼りにした安易な手続きをするより、確実に経過しているのを確認してからでないと危険です。
前述したように、借金にも各種料金の未払い金にも『時効』は存在します。
しかし、刑犯罪のように時効成立に必要な年月が過ぎれ時効が自動的に適用されるものではないので注意が必要です。
相手側は時効期間が過ぎた後でも請求することはできますし、裁判や支払督促を行うこともできます。また案件によっては5年が適用されない例外もあるため、素人判断での時効援用手続きは危険です。
気になる時効リセット条件は下記のとおりです。
(1)時効条件となる期間、連絡を取ったり支払いをしていない | 賃金業者からお金を借りた場合、最後に返済をした日から数えて5年間以上連絡をとったり返済をしていなければ対象となります。 |
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(2)時効が中断されていない | ①法律で定められた「時効となる期間」の間に、業者側から支払い請求や督促行為がない ②調停の申し立てや差し押さえなどの仮処分を受けていないなど ③未払い金の一部を返済したり、支払う意志表示をしていない |
(3)時効が振り出しに戻っていない | 時効条件となる期間中、業者側が毎月請求書を発行していれば、その度にリセットされていることになります。 つまり、業者側(債権側)が「代金回収を放棄していない」というアクションを起こし続けていれば、「放棄しない意思表示」とみなされ、時効条件となる期間が開始されないことになります。 |
(4)消滅時効の援用を手続きした | 引越しなどで自分が督促状や請求書を長期間受け取っていないからといって、素人考えで勝手に「時効期間が満期になった!」と思い込み、軽はずみに「時効の援用」手続きを行ってしまうと、成立&不成立に関わらず時効条件となる期間はリセットされてしまいます。 |
(5)消滅時効の援用に成功し時効が成立した後、情けで小額の支払いをした | 実は時効が成立して支払い免除が確定したからといって、借金の時効援用が成立した後に、貸金業者へ1円でも支払いをすれば、成立していた時効が無効となり、債権の全てが復活し、完済まで支払う義務が生じるのです。 「社員が路頭に迷う、少額でいいので少しだけでも返して貰えないか」と情に訴えられても、それは業者側のワナです!安易な行動は避けましょう! |
金銭関係の時効は、未払金が時効であることを主張する『消滅時効の援用』という申請をすることによって成立します。
時効が認められれば法的手続きを取ることで、債権そのものを消滅させることができ支払いが免除されるので、時効成立が確実であるならば申請をした方がお得です!
しかし「時効援用をしようとしている」と相手に知られると、中断措置を誘発してしまいで対抗される可能性が出てくるため、失敗に終わる可能性も大いに考えられます。
「急がば回れ」ということわざがあるように、遠回りこそ近道!
無料で時効のチェックをしてくれる専門家へ一任する方が確実で安全なのでオススメです。
1999年2月に「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」が施行され、要件を満たせば民間の業者であっても法務大臣からの許可を受けて債権の管理回収業務を行うことができるようになりました。
消費者金融や信販会社などへの返済や、携帯電話会社への料金支払いを放置された滞納分は、それぞれの債権会社にとっては不良債権です。そのため、度重なる請求書や督促状にも無反応の債務者に対して、これ以上不良債権を回収することが困難と思われるケースや、回収するための費用の方が回収利益を超えてしまうと判断されるケースなど、弁護士法の特例において業務を行うことが認められた債権回収会社(サービサー)に、回収を委託したり債権そのものを譲渡することがあります。
特に裁判所からの通知は放置厳禁!
見たことがない債権会社の名前で裁判所から支払督促が届いても必ず目を通しましょう。
裁判所を通した支払督促をそのまま放置していると、給料や家財道具の差し押さえ強制執行が行われることになりますし、また、裁判所に対して異議を申し立てたり、支払い督促に対して借金の一部を返済してしまうと、債務を承認したとみなされてしまい、今まで進行していた時効のカウントも振り出しに戻ってしまいます。
もしサービサーから裁判・支払督促を起こされた場合は、放置してしまうと差し押さえの強制執行だけでなく、時効の期間が10年まで伸びてしまう可能性があります。
裁判所からの催告書や支払督促が来た場合は自分で対応せず、法律の専門家へのご相談をオススメします。